Research Place



Tottori sand dune, Japan
 
鳥取砂丘第1砂丘列での飛砂の観測(左)と鳥取の企業と合同で作成した飛砂収集器(右)
鳥取砂丘における砂の移動の季節変化を詳しく知るため、サルテーションをパルスで計測できる機器、そして実際の飛砂を収集する機器を用いて観測をしています。


Bayan-Unjuul, Mongolia: Semi-arid
 
モンゴルにおける塵旋風(左)とダストモニタリングシステム(バヤンウンジュール)(右)
北東アジアの乾燥〜半乾燥地域では、低気圧などにともなった嵐によって黄砂(ダスト)が発生し、しばしば偏西風によって運ばれ、日本に飛来します。日本では車や洗濯物等が汚れるという程度の被害ですが、黄砂の発生している現地では、気象災害をはじめとした被害が甚大です。黄砂発生時期の植生(主として枯れ草)や土壌水分が黄砂の発生にどう影響するか、という疑問に答えるため、モンゴル草原において最先端の観測技術による黄砂発生観測を行い、ダスト発生の臨界風速に及ぼす影響を解明しています。


Shenmu, China: Semi-arid
 中国陝西省神木県六道溝流域におけるガリ侵食(左)と気象モニタリングシステム(右)
中国では、国土の約5分の2が風食または水食に脅かされており、海に注ぐ土砂の量は50億トンとも言われています。特に、黄土高原から黄河に注ぐ土砂の量は大きく、黄河の下流で年間16億トンにも達します。河床は毎年10cmずつ上昇し、下流域の土砂の増加は洪水などの災害をもたらし、そこに生活する人々に危害を加えています。このように、黄土高原の砂漠化は主に土壌侵食であり、世界的に見てもこの規模に匹敵する例はありません。最適な土地利用を水収支、水利用効率という観点から解明する研究を行っています。


Zhangye, China: Semi-arid
 
中国河西回廊における荒漠草原(左)とダストモニタリングシステム(右)


Dakhla oasis, Egypt: Hyper arid
 
エジプト南西部のハルガオアシスに向かう砂漠道路(左)とオアシス農業に欠かせない被圧地下水(右)
エジプト西部砂漠のニュー・バレー開拓計画は1960年代に始まったもので、ヌビア帯水層の化石地下水をくみあげて農地を拓き人口の過剰問題を解決しようとしたものです。現在では、この計画の存在自体忘れられていますが、今でも豊かな灌漑農業が営まれています。年降水量はほぼ0mmの極乾燥地なので、農業や生活に必要な水はすべて化石地下水によって賄われています。水収支や作物の生産効率という観点から、オアシス地方の持続可能性について研究を行っています。